EMDRは、眼球運動やその他の左右両側の刺激を用いた心理療法です。WHO(世界保健機構)は「PTSDの患者の心理的負担が最も少ない治療法」としてEMDRを推奨しています。PTSDに対する有効な方法として、アメリカ心理学会(1998)や国際トラウマティックストレス学会(2000)で推奨される治療のガイドラインに載るなど、その効果が評価されています。
また、その効果はPTSDや外傷体験(トラウマ)に対してだけでなく、強い感情―不安や悲しみ、恐怖や抑うつ、怒りなど―のコントロール、否定的な考え方の解消、スポーツやビジネスでの能力発揮などに適用されています。
「来談される方への精神的、身体的負担をできるだけ軽くできる心理療法を提供したいという思いから、一人一人に合った方法をEMDRや認知行動療法などの心理療法の中から適応させていただきます。方針の決定に際してはご本人にも参加いただいています。
トラウマに端を発する問題には幅広く対応しています。メールか電話でお気軽にお問い合わせください。」
PTSDというのは Post-Traumatic Stress Disorder(心的外傷後ストレス障害)の頭文字を取った言葉で、戦争や、テロ、地震、洪水、噴火、暴行など生命に危険が及ぶような恐ろしい出来事に見舞われた後に起こる心身の不調や不安障害、うつのことです。大規模な自然災害や交通事故、家庭での虐待や部活動での先輩からのいじめ、職場のパワーハラスメント、夫からのDV被害などさまざまな生活場面で生じる可能性があります。PTSDの生涯罹患率(一生の間に病気になる率のこと)は、アメリカ国内の統計では男性で5%、女性で10.4%とされています。
精神分析などの伝統的な心理療法の多くは、言葉を使ってこころの中を洞察していきますが、EMDRでは脳の神経系に眼球運動や機材を用いて働きかけて滞っている情報に変化を起こすため、急速な治療効果がみられます。
EMDRではつらい出来事の詳細を語らなくても治療を進めることができます。また、短時間で改善が進むため、つらい出来事やトラウマに直面する時間が短くてすむのも特徴です。
さらに、その人のポジティブな面や長所、自己治癒力を引き出して高めることをおこないます。
ご自身の力で本来の人生をとり戻す、そのためのお手伝いをするのがこの治療法です。
NHK教育ETEV特集「トラウマからの解放」(2013年9月14日)
NHKクローズアップ現代「心と体を救う トラウマ治療最前線」(2013年12月11日)放送などで取り上げられました。
女性誌an・anにも2013年10月30日号に右の記事のように取り上げられました。
アメリカから取り寄せたEMDR専門機材のEyeScanを使用しています。